文と写真:藤田りか子
[Photo by Chris Slupski on Unsplash]
我が家における愛犬BARFダイエット日記シリーズ第4弾。前回からの続きである。
注意:筆者はBARFや生食のエキスパートでもなければ、犬の栄養学に通じた者でもない。まったくのアマチュアだ。なので、ここに書いてあることを鵜呑みにしないよう!単なる経験談として読まれたい。「こんな風に自分もやってみたいけど、どうなんだろう?」と思った人はぜひその道の専門家からアドバイスをもらうように!
かれこれBARFをやり始めて半年が経つ。後悔はなし!たぶん、ドライフードには戻らないだろう。うんちの状態もよし。毛艶もよし。スウェーデンの獣医クリニックにはシニアチェックというサービスが存在するのだが、そこで11歳半になるラッコをつい最近診てもらった。採血後、腎臓や肝臓の機能は全てOK!とでた。これは超嬉しい。うまくBARFをこなしてきた証なのかもしれない。それもこれも「7:1:1:1の公式」を使ったおかげ。これさえ守っておけば、本当にうまくいくものなのだと深く納得。「7:1:1:1の公式」についてはこちらの記事を参考に!
BARFの計算が面倒だ、という人がいる。ただし、毎回肉と骨、内臓、部位と野菜の比率が7:1:1:1である必要はない。1週間を通して7:1:1:1になっていればいいと私のBARF師匠のピッレ・アンデションさんは教えてくれた。たとえばある犬の1週間における食事摂取量が10kgとすれば、1週間の間に7kgの筋肉部位、1kgの骨、1kgの内臓、1kgの野菜を摂っていればOKとのことだ。だから1週間分の食料として上記の食材をすべて容器にぶっこんでおいて、それを1週間で消費していれば、最終的にはバランスが取れた食事になっているということ。そう考えると、なるほど簡単だ。
計算表を使うと楽!
ただし私には毎日7:1:1:1にしたいというどうにもならない衝動があり、ピッレさんの言う方法はとっていない。なぜ、と言われてもわからない。どうしても毎日同じ比率で与えたいのだ。ならば相当面倒なBARFになっていませんか、と思われるかもしれないが、大丈夫!エクセルを使い1日に何がどれだけ必要なのかわかるよう、計算表を作ったからだ。ま、ここが面倒臭い、と思う人はたくさんいるだろう。だが私にはこれがすこぶる楽しく思える!植物に水を与える、というのは一方ですごく面倒に思える仕事なので、我が家には何も鉢植えがない。だが、その水を与えるのが楽しくてしょうがない、という人もいる。ほんとうに、人というのはさまざまだ。
朝食に関しては、筋肉部位と骨を適当な分量与える。骨は時にトリの手羽であったり首であったり。あるいはこちらのBARFショップで買う予め10%の骨と90%の肉が混じったミックスを。計算表が活きるのは夕食だ。適当に与えた朝食の中にどれだけ骨と筋肉部位があるか計算してくれ、夕食にそれぞれどれぐらい必要なのかパッと出してくれる。以下のような感じだ。
計算しなくていいのは内臓部位と野菜。これはそれぞれ全体の10%を占めるのだが、その量は毎回決まっている。しかし肉と骨の部位に関しては、時に骨が混じっているBARF用挽肉を与えたり、ときに骨付き鶏肉を与えたりと、肉と骨の比率が与えるものによって毎日コロコロ変わる(そしていろいろな動物種の肉が入っている方がいいのだ)。それで計算表が必要となってくる。
冷凍している肉を10kg単位で買ってくる。これを解凍して小分けにして冷凍庫に保存!
トライプをトッピングとして!
生食をやっている人であればお馴染みトライプ。草食動物の反芻胃。反芻胃は人の食用としても存在するが(ミノなど)、漂白しており白い色をしている。犬が食べるトライプは洗浄していない反芻胃そのまんまのもの。当然いろいろな栄養やバクテリアが含まれており、プロビオティックとして機能する。つまり下痢や便秘を抑えたり、腸内の良い菌を増やしたりするなど腸内環境を整えてくれるのだ。
肉のカテゴリーとして、内臓部位と思われるかもしれないが、これは筋肉部位としてみなしてOK。ただし私は上に示したような計算にトライプをいれておらず、我が家ではトッピングとして使っている。とはいっても毎日ではない。週に2〜3回。さらには犬が下痢をしたときなどはお腹を整えるために必ず与える。
こんなに素晴らしい食品なのに、日本では残念ながら生のトライプがとても手に入りにくいと聞く。肉牛や乳牛がいるのだから、もしペットフード業界がやる気になれば生のトライプも庶民の手に届きそうなものだが、おそらく衛生上の規制などがあって難しいのだろう。スウェーデンではもちろん犬食用にトライプが冷凍された状態で売っている。1kgで800円ぐらい。一度に10kgほど買って冷凍庫に貯蔵。
ただしにおいは強烈だ。さわったらしばらくにおいが手に残る。しかしこのくささが犬にはたまらないのだろう。大喜びで食べる。
スウェーデンで売られている冷凍トライプ。このようにソーセージ状に梱包されている。
そしてその中身。くさいぞー