うちもBARFをやってます! – 我が家の犬飯事情 その1

文と写真:藤田りか子


今回は鳥を回収する、のではなく、鳥を食べる方に注目したい。

一度失敗したものの

以前に犬の食事として生食ダイエットをやっているというエピソードを書いたことがある。だが数年後に何回かラッコが吐いてしまい、それ以来辞めた。その生食は市販のフード。必要な栄養素が全て調合されており、ドライフードのようにそのまま与えればいいだけのものだった。楽ではあったが、今考えれば、そのフードには相当量の脂身が含まれていたのに違いない。脂でかさ増しさせて売る、というのは生食業界ではよくあることだそうだ。ラッコはシニア爺さんだ。シニア犬に過剰な脂はよくない。体が処理できなかったとみえる。

「ごめんね、結局いいフードじゃなかった」

とその後ドライフードに切り替えた。

そんなわけで生食からすっかり遠のいていたのだが、昨年暮れあたりから新たに「BARF」というメソッドで生食に再トライすることになった。これが意外や意外、なかなかうまくいっているのだ。というか、BARF自体はもちろんいいダイエットに違いないのだが、私がそれをうまくこなしているのである。その話を何編かにわけてここに記したい。ちなみに、私はBARFや生食のエキスパートでもなければ、犬の栄養学に通じた者でもない。まったくのアマチュアだ。なので、ここに書いてあることを鵜呑みにしないよう!単なる経験談として読まれたい。「こんな風に自分もやってみたいけど、どうなんだろう?」と思った人はぜひその道の専門家からアドバイスをもらうように!

ピッレさんに導かれ

生食再開のきっかけは、何を隠そう、現在ジャパンノーズワークスポーツクラブでインストラクター教育を担当しているピッレ・アンデションさんの影響である。日本でいっしょに仕事をしている間、彼女からBARFがどれほど素晴らしいか、という話をとくと聞かせられた。ピッレさんはスウェーデンにおけるベテランのノーズワークインストラクターおよびジャッジだ。同時にスウェーデンを代表する(と言ってもいいぐらい)情熱のBARF提唱者でもある。知識も豊富で生食のセミナーをよく行なっている。そして彼女はレオンベルガーのブリーダーでもある。栄養に関心があるのも無理もない。

BARFは最初、Bone And Raw Food (骨と生食ダイエット)の略として定義されていた。その後、意味合いはもう少し進歩したらしくBiologically Appropriate Raw Food(生物学的に適切な生食)として今は知られている。その歴史の詳細についてはここでは省きたい。ネットでBARFと検索してみよう。たくさん情報がでてくるはずだ。

生食は犬にただ生肉を与えればいいというものではなく、すべての栄養のバランスがとれるよういろいろなものを混ぜなければならない。その作業が難しそうで自信がないがために全てが整っている市販の生食に頼った。だがピッレさんに話を聞くと

「BARFはみなさんが思っているほど難しくないのですよ。か〜んたん!」

とのことで、この言葉に勇気付けられたのは言うまでもない。スウェーデンに帰ってさっそくBARFを試してみることにした。

7:1:1:1の公式を使えば簡単!

まず犬が必要な1日のBARFダイエット量を計算するところから始める。多くのBARF専門家によると、健全な成犬であれば

犬の理想体重 X 2〜3%

で算出した数字が目安になるとのこと。ただし病気を患っている犬、激しい運動をしている犬(カニクロスやそり犬をやっているような犬など)、子犬、妊娠している犬においてはその限りではない。

というわけでうちのラッコは32kg、そして運動量は普通なので体重の2%のBARFが必要となる。

32kg X 0.02 = 0.64kg

すなわち640g。ただしこれすべてが肉だけで成り立つわけではない。BARFのコンセプトとは「犬が自然の状態にいればどんなものを摂取するか」をもとにダイエットのコンテンツ(栄養)を決めていく。ピッレさんは

「食事量のうち70%が筋肉(いわゆる肉のこと。肉と呼ばれているものは実は全て筋肉である)、10%が骨、10%が内臓、10%が野菜、この比率を覚えておけば大丈夫!」

と教えてくれた。BARFでは骨を必ず摂取させるというのは知っていた。が、内臓も常に10%含めなければならない、というのは発見であった。内臓はありとあらゆる栄養素の宝庫であり、それを含めてこそ犬の食事として完成する、というのはなるほどこのダイエット法が「生物学的に適切な生食」といわれる所以なのであった。

レバーを必ず含めること

内臓には

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