自律神経系から見る「遊ぶ」ことの大切さ

文:北條美紀


[Photo by Viktor Nikolaienko]

犬と私をつなぐ自律神経系~ポリヴェーガル理論の視点」の記事で、ヒトも犬も、安全を感じながら仲間とつながり、興味と関心で意欲的になることを求める存在だとお伝えした。それを可能にするのが、自律神経系の中の腹側迷走神経系の働きだ。「安全」の合図を受け取り、それを仲間に伝える互恵的な関係がポイントになる。さらに大切なのが、交感神経系、背側迷走神経系との調和だ。

このような互恵関係や自律神経系の調和は、犬曰くの記事に何度も出てくる「遊びの大切さ」とも密接な関係にあると思っている。最近の藤田りか子さんの記事「なぜ犬と遊ばなければならないのか?」や「モチベーションの敵、犬の『がっかり感』を探る」なども、この視点から読むとさらに面白い。特に、「がっかり感」の実験結果に対する藤田さんの、

この奮闘努力自体が犬にとっては楽しいものだと思うのだ。ノーズワークを楽しむ犬と同じだ。だからトリーツの価値が途中で下がってもそれほど影響を受けなかった。嗅覚作業自体を自己報酬として犬が感じているのでは?

という仮説には、私も大いに同意する。

今回は、この「遊びを楽しむ」という点について、自律神経系の働きから考えてみたい。

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