犬の老化に効果があるのは、身体的介入?それとも認知的介入?

文:尾形聡子


[photo by Makotomo]

人も犬も高齢化が進み、健康寿命をのばすための研究がさまざまな角度から行われています。人においては、身体的・精神的(認知的)・社会的な介入に老化を遅らせる効果があることがわかっています。

栄養バランスのいい食習慣、適度な運動、ストレス管理、良質な睡眠などは身体的介入とされていて、心臓や血管の健康、筋肉の強化、免疫機能の向上などを通じて老化を遅らせることに役立ちます。認知的介入としては、いわゆる脳トレや新しいスキルを学ぶなど、記憶力や注意力、問題解決能力などの認知機能を維持することを目的とし、認知機能障害の発症リスクを減らそうとするものです。そして社会的介入は家族や友人との交流、コミュニティ活動への参加、社会的支援の提供などを通じて社会とのつながりを強化し、孤立や引きこもりなどの精神的な健康を損なわないようにします。

これらの3つの介入方法は、そのままフレイル(健康な状態と要介護状態の間に位置し、身体機能や認知機能の低下が見られる状態)になるのを予防する要因であり、いかにこの3要因が老化対策に重要かがわかります。

家庭犬においては人のような社会的孤立というものは基本的にないと考えられますが、それ以外の身体的、認知的な部分で老化に対応していけることが示されています。たとえば身体的に虚弱にならないためには筋肉量をできるだけ維持できるような運動が大切だったり(「犬の健康寿命に影響、筋肉量を維持しよう!」参照)、長期的なトレーニングが認知機能の低下を遅らせるのに効果的である可能性が示されたり(「犬の認知力低下を緩やかにするには、トレーニングが効果的」参照)しています。犬の認知機能低下に関しては、犬種や体のサイズ、病歴なども影響していることがわかり始めていますが、それらに関する記事は文末の関連記事に載せますので、ぜひ併せてご覧ください。

人において、老化に対する介入は個人によって何をするのが効果的かは違いますが、3つの介入の中にあるいくつかの事柄を組み合わせるとよりいっそう老化を遅らせる効果を増強できることが示されています。たとえば、

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