文と写真:藤田りか子
どのようにしたら犬が飽きずにパフォーマンスを続けてくれるか、を学びたい
北欧のドッグインストラクターを講師に招いてこれまで何度となくウェビナーを開催する機会に恵まれた。分野はさまざまで、嗅覚系のドッグスポーツから、パピーの育て方、ラリーオビディエンス、オビディエンス、ドッグダンスなどなど。自分でも、ガンドッグをテーマにオンラインセミナーの講師をつとめたことがあった。
セミナーはたいてい数回にわたって行われ、基礎に始まり、さまざまなテクニックそして応用を学ぶことができる。とはいえ、セミナーが最終回になるたびに参加者から同じリクエストが寄せられる。それは
「どのようにしたら犬が飽きずにパフォーマンスを続けてくれるか、を学びたい」
「どのタイミングでおやつを抜いてトレーニングすべきか、わからない」
というものだ。要は「犬のパフォーマンスの持続力を培うために何をすればいいのかを知りたい」という。
練習であればトリーツを使ってなんとか犬のモチベーションを維持させ、パフォーマンスを遂行させることもできる。だが競技会ともなるとトリーツは使えない。よって犬のやる気が失せ途中で止まってしまう、ノロノロとしてしか動いてくれない、などという問題が生じる。多くの参加者が持つ最大のお悩みだ。だが、講師はハンドラーがその窮地に陥らないよう、すでにセミナーの初回においてさまざまなアドバイスやヒントを授業で話してくれている。にもかかわらずのこの要望は必ずくる。
「講師の話、ちゃんと聞いてました?」
と思わず返したくなるのだけれど。