幼児になれていない犬の、赤ちゃん周りでの管理の仕方

文:藤田りか子


[Photo by Adobe Stock]

スウェーデンは冬が終われば、そのまま夏に突入する。「春」みたいなあいまいな季節はほぼ存在せず、寒いか暑いかのどちらかしかない。そしてこの季節になると、森の我が家は来客で賑やかになる。もっとも私が

「スウェーデンは5〜7月が最高の時期だから」

とあちこちで言いふらしているためでもある。

先週のお客様はママ歴一年の友人Mさん、そして彼女の夫君と赤ちゃんの3人。Mさんとはコロナ前に東京で会って以来。連絡をもらい「ぜひステイをして!!」と大歓迎で招待したものの

「そうか、今回は赤ちゃんもいっしょにくるんだ!」

というのをしばらく後になってから気づいた。

「うちの犬たちと赤ちゃん、うまく折り合えるのかしら…?」

「犬は子供のベストフレンド」「赤ちゃんと犬がほっこり」というようなハートウォーミングなキャッチをSNSのあちこちで見るものだが、実は犬と幼児の関係は過信してはいけないものである。それは犬が「所詮動物」だからとか子供が「悪い」といった類の理由ではなく、人と犬とのコミュニケーションの仕方の違い、から思わぬ事故が発生することがあるためである。詳しくは、記事「子供嫌いな犬、どうしたらいい?」にも書いているので一読を。

もっとも幼児と犬が共に育ってきた、というのであればお互いがコミュニケーションに慣れているはずなので、それほど問題ではないだろう(それでもたまに事件は起きている)。しかし我が家の犬の場合、乳幼児はおろか子供との触れ合いが全くなく日々を過ごしている。スウェーデンの友人の中に小さな子供を抱えている人がいれば接する機会も多少なりともあったかもしれない。だがいずれの友人も私と同じ世代、彼らの「子供」といえば若くとも大学生ぐらいの年頃にある。

結論から言うと、Mさんご一家の理解と協力のおかげで、犬と赤ちゃんのステイは大成功に終わった。ステイだけじゃない、我々はいっしょに旅行もした。そしてスウェーデンの初夏のとても楽しい時を過ごすことができたのだ。というわけで乳幼児に慣れていない犬をどのように赤ちゃん周りで安全にマネジメントするべきか、を今回の経験に基づき記したい。

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