文と写真:藤田りか子
今回はスウェーデンのベテラン柴ブリーダーであるヘレナ・スコッグルンドさんが考える柴との付き合い方を伺いました。
驚くなかれ、スウェーデンにおいて柴など日本原産犬種は決して稀少犬ではない。もちろんメジャーではないが、犬好きの間ではけっこうよく知られている。つい先日、スウェーデンの日本スピッツクラブと柴の犬種クラブがコラボでドッグショーを開催したときは、約100頭の柴と80頭の日本スピッツが集まった。これはスウェーデン日本スピッツクラブ創立50周年記念のイベントで、なんと当犬種たちの本場日本から二人の審査員が招聘された。北欧の日本犬ファンにとって日本人が審査するこのショーは素晴らしく意義のあるもの。おおいに盛り上がったのはいうまでもない。
先日(2023年7月15日)に開催されたスウェーデン日本スピッツクラブ50周年記念ドッグショーにて。柴と日本スピッツ犬種クラブの合同ショーとして開催された。もちろんショーの審査員は日本から!
スウェーデンの原産犬種も多くが日本犬と同じスピッツ犬種である。だから親近感が湧くのかもしれない。ちなみに「スピッツ犬種」というのは、日本スピッツのみを示すのではなく、立ち耳のプリミティブ系犬種全般をさす言葉だ。そして私がとても感心しているのは、みな柴や日本スピッツなど「スピッツ犬種」独特のメンタリティととても上手に付き合っていること。いや、ややもすればしつけの仕方など、日本人顔負けかも?
そこで彼らがどんなふうに日本犬を理解しているのか、聞いてみたいと思ったのだ。お話を伺ったのは、柴歴30年のベテランブリーダーであるヘレナ・スコッグルンドさんだ。