文:尾形聡子
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犬の姿形は実にさまざま。その形態学的特徴に基づいて、犬種や体の大きさによる行動や気質の違い、さらには年齢や性別、不妊化手術状況、家族環境、生活環境などによる差異があるかどうかを調べる研究が数多く行われています。
たとえば最近では、アイコンタクトという行動において、その行動の頻度にどのような要因が影響しているかを調査した研究を「知らない人とアイコンタクトを取りやすい犬の4つの特性」で紹介しています。そこでは、犬の頭の形(短頭・中頭・長頭)、作業特性、年齢、社交性の違いとアイコンタクトの行動のあらわれとに関連性があるかを見ています(詳細は以下リンク先記事をご覧ください)。
また、「犬種は?年齢は?人への攻撃性が高まるリスク要因」で紹介した研究などでも示されているように、小型犬の方が中型や大型に比べ、おしなべて攻撃的な傾向にあるという研究報告がいくつもあります。そこに着目したアメリカとオーストラリアの研究者らは、犬種に細分化せず、体の大きさ(体高・体重)と頭の形(短頭・中頭・長頭)によって行動に違いがみられるかどうかを調べ、2013年と2016年と2回にわたって研究結果を発表しました。要約すると、以下のような8つの傾向があることがわかりました。