文:北條美紀
今、なんて質問した?[Photo by Andrea Arden]
「無知の知」は、有名な哲学者ソクラテスの言葉。ソクラテスは、本当に優れているのは、たくさんの知識を持っている人ではなく、自分がものを「知らないということを知っている」人だと言っている。「知らない」ことは決して悪ではない。それどころか、知らないことを自覚していれば「知りたい」と思うことができる。知りたくなれば、調べることも質問することもできる。
そんな「無知の知」は、相手の「やる気」を引き出すコミュニケーションに大いに役立てられる。だが、それに気づいている人はさほど多くないように思う。そこで今回は犬のトレーニングを例に、対犬、対人への「無知の知」を活かしたコミュニケーション方法について考えてみた。