文:尾形聡子
[photo by Chalabala]
人をはじめ、動物が生きていくにはエネルギー源となる食べ物を摂取する必要があります。生きていくことを一番の目的とするならば、そのためのエネルギーを得るために使うエネルギーを最小限にすれば同じ食べ物を得たときの利益率は高くなると考えられます。
しかし野生下ではそれほど単純な話ではなく、さまざまな種類の食べ物を時と場合によって選別し、採食しています。仮に、ある肉食動物にとってAとBという2種類の獲物がいる場合、餌のレベルとしてはA>Bであることが明確であったとしても、Aの餌を捕獲するのに使う時間やエネルギー、環境条件なども含め、今回はAを捕獲するには条件が悪い(コストが高い)という判断になれば、手近で簡単に捕獲できるBで腹を満たしておこう、となります。逆に、Aを捕獲するのに通常よりも手がかからない状況であれば、質の低いBには見向きもせず、ここぞとばかりにAに真っしぐらとなるでしょう。
このような、動物にとって最適な食物を選択するモデルのことを「最適採餌理論」と言いますが、実際にはと相反する行動が広く動物に観察されています。それが、「コントラフリーローディング」と呼ばれる行動です。
コントラフリーローディングとは
コントラフリーローディングとは、目の前にある食べ物と、得るのに努力を要する食べ物のいずれかを選択する状況下に置かれると、