文:藤田りか子
[Photo by localpups]
フラットコーテッド・レトリーバーの死因のトップ:がん
先日、トレーニングを共にしている友人のフラットコーテッド・レトリーバーが組織球肉腫というがんで亡くなった。その少し前にもやはり同じ犬種を持つ知人が愛犬をがんで失っていた。筆者の住むスウェーデンはフラットコーテッド・レトリーバーが世界一人気のある国で、毎年新規登録数統計のベスト20位内に入っている(2020年の新規登録数:929頭、10位)。それぐらいどこにでもいる犬種なのだが、その死因が「がんだった」というのは友人の例を見るまでもなく、あちこちでよく聞く話だ。フラットコーテッド・レトリーバーなら「がん」という認識が我々スウェーデンの犬仲間の間にあると言ってもいい。日本でも同様ではないかと思う。悲しいかな、スウェーデンの動物保険会社の調べでは、10歳まで生きるフラットコーテッド・レトリーバーは52%にすぎないということだ。
がんは人のみならず犬の死因のトップでもあり、特にある犬種ではこの傾向が強い。その一種が実はバーニーズ・マウンテンドッグに並んでのフラットコーテッド・レトリーバーなのだ。犬仲間の間での認識が単なる都市伝説ではない証拠にイギリスの調査(2009年)ではおよそ