文:尾形聡子
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夫婦喧嘩、親子喧嘩、兄弟喧嘩など、家庭内で起こるケンカをみても、それぞれに名称がつくほどにケンカは日常的なものだといえるでしょう。血縁関係以外の社会集団においても、子どもから大人まで、学校や会社などで小さなケンカは毎日どこかで必ず起きています。しかし多くの場合、たとえ敵対することがあっても相手との今後の利害関係を考え、関係性を修復しようとしたり、なるべくストレスを受けないギリギリのところで関係を維持しようとするものです。
では犬同士がケンカをした後、犬はどのようにふるまうものなのでしょうか。一般的に、社会的な動物においては他個体との協力の必要性の高さによって、和解の頻度が異なるといわれています。進化の過程で犬が得た能力と失った能力について研究を重ねるウィーン獣医大学の研究者らは、オオカミと犬それぞれのケンカ→和解の行動パターンを比較観察し、