アシカはよく草を食べる。以前飼っていたレオンベルガーのクマは滅多に食べず、食べた場合は、しばらくして吐いたものだ。アシカの場合吐きもしない。まるで日常の食のメニューのごとく、散歩に出れば牛のようにむしゃつく。
草を食べることが習慣化して、ついにアシカは草食べを「自分の気持ちを落ち着かせる」手段として活用するようにもなった。例えば「おしっこ!」の合図を私が出している時。実は彼女は尿意をもよおしていないのだが、私がいい続けるために何をしたらいいかわからなくなり、とりあえず足元の草を食べ始める、といった具合だ。あるいは「玄関に入りなさい!」と命令する時、まだ家の中に入りたくなくて躊躇すると突然草をむしゃむしゃやり出す。明らかに転位行動だ。草食べを社会行動として行なっていることもある。他の犬と一緒にいる時など、相手の犬が草を食べ始めると、自分も食べ始める。
「草食べ」の二つのパターン
アシカに出会ってから「犬はなぜ草を食べたがるのだろうか?」と初めて真剣に考えるようになった。韓国の獣医師の報告では、7年間もの間草を食べては吐き続けるトイプードルに、それまで食べていたフードよりも