文と写真:アルシャー京子
歯垢が溜まるとどうなるか?
犬もヒトも毎日歯に歯垢(Plaque)が付く。ヒトの場合毎日数回の歯みがきで歯垢は取り除かれるが、犬の場合は自分で磨くことをしないためにどうもおろそかになりがちで、日々歯垢は溜まる傾向にある。
この歯表面に付いた歯垢はバクテリアやその代謝物、唾液成分、口腔内の分解産物、細胞などを含む「バイオフィルム」である。歯垢が付くか付かないかは食べ物によるものではないことが知られており、つまり「絶食しても歯垢は付く」ということ。
歯みがきによって一旦は取り除かれても、数分後にはまた付いてしまう代物だ。
ややこしい歯垢の付着機序については話を省くとして、健康な歯肉を持つ犬の歯垢には好気性菌と通性嫌気性菌が善玉菌として住み、そして歯垢が溜まるとそれだけバクテリアを多く飼うことにもなる。
歯について放ったらかしにされた歯垢に嫌気性菌が繁殖すると歯肉炎を引き起こす原因となるだけでなく、不快な口臭の原因となる。