DCMとグレインフリーフードの関係、その後の研究より

文:尾形聡子


[photo by garyt70]

犬の拡張型心筋症(Dilated Cardiomyopathy:DCM)は心臓の筋肉に異常が生じて心筋が薄くなり、収縮機能が低下して血液を十分に身体に送ることができなくなる病気です。ひどい場合には突然死も招きかねず、また、治療を受けても予後が悪く、発症から短期間で死亡するケースもある非常に深刻な病気のひとつです。DCMについて詳しくは以下のブログをご覧ください。

https://inuiwaku.net/?p=8377

DCMの多くは遺伝性・家族性で、中年齢以降の大型犬や超大型犬のオスに発症しやすい傾向がみられます。罹患率の高いドーベルマンではPDK4やTTN遺伝子の変異と関連があることが示唆されています。同じく罹患率の高いボクサーに関してはボクサー心筋症と呼ばれていましたが、現在ではボクサー心筋症は不整脈源性右室心筋症(ARVC)と分類されています。

DCMの発症原因は遺伝だけではなく、L-カルチニンやタウリンなどの栄養欠乏がアメリカン・コッカー・スパニエル、ゴールデン・レトリーバー、ニューファンドランドなどで報告されています。ほかにも鉛や薬物による中毒、感染症の後遺症、甲状腺機能低下症などが原因となる場合もあるそうですが、依然、原因不明なことも多いようです。

2018年にはアメリカ食品医薬品局(FDA)により、DCMの発症にグレインフリーのドッグフードが関係している可能性が発表されました。グレインフリーのドッグフードが席巻している昨今、このニュースを聞いて不安を覚えた人も多かったのではないかと思います。FDA発表の詳細は以下の記事をご覧いただくとして、その後もグレインフリーフードが本当にDCM発症原因になっているのか、生存期間に影響するのかといった研究が引き続き行われています。

https://inuiwaku.net/?p=24106

今回は、DCMとフードの関係について調査した新しい研究を二つ紹介したいと思います。


[photo by anjanettew]

DCM発症犬を対象とした後ろ向き研究

まずは、

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