ポジティブという言葉の響きに流されないで

文:北條美紀

[Photo by Matthias Ripp]

子どもの教育の世界でも犬のトレーニングの世界でも、ポジティブトレーニングという言葉をよく聞く。ポジティブという言葉の響きから「ほめて伸ばす」「体罰不要」などとイメージされがちに思う。しかしポジティブという言葉は、positive reinforcement(正の強化、陽性強化)に由来していて、「ポジティブ」「正」「強化」という用語は、「ほめて伸ばす」とはまったく違う意味で用いられている。

正の強化や負の罰などの用語は、スキナー(Burrhus Frederic Skinner)という心理学者で行動分析学の創始者によってつくられた。学習やオペラント条件付けを説明する強化理論の中で使われている。ここでいうpositiveや、訳語として用いられている「正」、「陽性」は、ほめる、トリーツをあげるなど犬の喜ぶことをするという意味ではない。また、negative、「負」、「陰性」も、

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