人の話を聞くコツ:カタルシスの効果

文:北條美紀

え、なになに?ふむふむ。[Photo by Lisa L Wiedmeier]

本当の思いを吐き出せたとき、人の心にはカタルシス(精神浄化作用)が起きる。心理学においてカタルシスは「心の中に長く抑圧され鬱積していた情動が解放され、心が浄化されて軽くなる作用」という意味で使われる。もっと日常的なところでは、「自分の思いを吐露することで気持ちが軽くなる」ことをいう。

先日、犬曰く主催の犬のプロ向けセミナーでお話をさせていただいたが、そこで感じたことの一つに、「自分の犬のことで悩んでいる飼い主の心に多少なりともカタルシスを起こすことができれば、犬のプロの方は自分の能力をもっと存分に発揮しやすくなるんじゃないかな」ということだった。カタルシスが起きるときには、その場が安心で受容的な雰囲気になっている。そして、カタルシスが起きれば、肩の荷を下ろしたような安堵感と、その思いを共有してくれた聞き手との間にラポールが生まれる。さらに、肩の荷を下ろせれば、そのために使っていたエネルギーを自分の悩みのために主体的に使えるようになり、問題解決のヒントも自分の中から浮かんでくるようになる。

カタルシスのために大切なのは、相談者が

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