文:尾形聡子
[photo by Clint Budd]
犬も人と同じく命に限りのある生き物である以上、老化が進んでいけば筋力やあらゆる臓器の働きが低下していきます。日常生活において走らなくなってきたり寝ている時間が増えたりしてくるものですが、性格的な面も変化していくものなのでしょうか。
犬の性格が遺伝と環境の両方の影響を受けてつくられることはすでに皆さんもご存知の通り。もちろん犬種によって気質の違いがあったり、性別や不妊化手術の有無などによっても違いがみられることがありますが、すべての犬において社会化期は犬の性格形成にとても重要です。なぜならその時期の過ごしかたが、犬の性格に長期にわたって影響を及ぼしてくるからです。
けれども成犬になってからでも性格はまったく変化しないわけではなく、たえず環境から得る経験に影響されています。誰と暮らすか、どんな犬と暮らすか、どんな場所に暮らすか、どんな暮らしかたをしているかといった環境要因によっても、少なからず個体の性格は何らかの影響を受けている可能性があるものです。
しかし、そのような個体それぞれの経験と加齢とが広く犬という動物の性格形成にどのように影響をしているのかについて