近親交配がもたらす危険とゴールデン・レトリーバーのコホート研究

文:尾形聡子

[photo by Franco Vannini]

近親交配、いわゆるインブリーディングと呼ばれている血縁が近いもの同士の交配により誕生する個体は、健康面でさまざまな異常を持って生まれてくる危険性が高くなることが知られています。地球上の生物に広く見られるこの現象は「近交弱勢」といい、繁殖力の低下、子の死亡率の上昇、寿命の短縮、先天性の病気や異常などさまざまな健康問題が起こりやすくなります。血が濃くなり近交弱勢が進めば、種を存続するだけの個体数が維持できなくなり、野生動物であればその種は絶滅の道をたどることにもなりかねません。

しかし犬の場合は野生動物とはことなり家畜化された動物です。さらに犬種に限っては、その犬種として望まれる形質(作業特性や外見、気質など)を固定させるために人の手により近親交配が利用されてきたという歴史があります。近親交配は特定の人気のオス犬(チャンピオンのタイトルを獲ったオス犬など)が繁殖に高頻度で使われることで、

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