コールド・テール症候群とその予防と対策

文と写真 藤田りか子我々家族だけが知っている秘密の湖畔というものがある。アクセスが少々難しいので、私たち以外にはおそらく地主ぐらいしかそこを知らないだろう。夏の夕暮れなど、貸切状態の湖畔に犬たちを連れてバーベキューと日没を楽しむ。春から秋の間スウェーデンでは犬を森に放すのは禁じられているものの(森に生まれている子鹿を守るため)、ここに来た時だけはこっそりオフリードにしている。我々が湖畔に留まっている限り、犬たちは滅多に森の中に入ろうとせず水のそばから離れない。そう、我が愛犬たちはレトリーバーだ。水が大好き。ここで自由に走ったり泳いだりする彼らを見るのは、ソファで寝そべりテレビを観るよりも楽しい。

湖畔から帰宅したある夜のこと。アシカがピーピー泣いている。顔を見ると何かお化けにでも出会ったような表情をしていた。しゃがんで彼女を迎え入れた時、異常に気が付いた。何しろ尾が振られていないのだ。のみならず、力なくダラリと下がっている。その下がった尾をひょいと上に持ち上げたら、アシカは「ギャン!」と鳴いた。

「これが、あのコールド・テール症候群?!」

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