怖がりな犬についての大規模調査~フィンランドの研究より

文:尾形聡子

[photo by geir tonnessen]

人にも犬にも、広く動物には恐怖という感覚が存在しています。恐怖は動物が生きていくうえで必要とされる感情ですが、度が過ぎる怖がりの場合には苦痛をもたらすことがありますし、恐怖と攻撃は切っても切れない関係にあります。『ふたつのホルモンのバランスが影響~犬の攻撃性と親和性』で紹介しましたように、犬の性格に影響する遺伝的な要因を探る研究が進められています。また、音に対する恐怖が遺伝しやすい形質であることは、ラブラドールやジャーマン・シェパードなどを対象とした研究で示されています。しかし、このような性格の遺伝的背景をなるべく正確に解析するためには、恐怖が引き起こす行動についてのきちんとした理解が必要です。

恐怖に関係する主な行動には、見知らぬ人・犬や新しい環境への恐怖、大きい音への恐怖、分離不安、攻撃行動などがあります。そこで、実際にそれぞれの恐怖に関係する行動を見せる犬の割合はどの程度で、どのような行動を併せ持つ傾向にあるのかを把握するために、フィンランドのヘルシンキ大学の研究者らは一般の飼い主への大規模なアンケート調査を行い、その結果を『Journal of Veterinary Behavior』に発表しました。

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