寒くなるとふしぶしが・・・犬も痛みから気持ちが落ち込むもの?

文:尾形聡子

[photo by Justin Kraemer]

秋の風が心地よい季節になってきましたね。しかし過ごしやすい季節は一瞬にして過ぎ去り、あっという間に冬の訪れがやってくるでしょう。寒くなると血行不良や体を動かす機会が減りやすくなり、関節が痛みがちになります。散歩だけならばまだしも、排せつ物を処理するときにかがむたび、痛みで憂鬱になってしまうこともあるかもしれません。人において関節炎による慢性的な痛みは、身体的な苦痛だけでなく気分障害をひきおこすなど、精神面にも強い影響を及ぼすことが知られています。

獣医師の長坂先生がお話しされていたように、成犬の2割以上が関節炎を患っているとみられている昨今。とりわけ高齢になるほど関節炎(骨関節症、変形性関節症)が多いのは、人だけではなく犬も同じです。そして、そのような犬たちも慢性的な痛みにより精神面にも影響を受けているものなのです。

犬は痛いと言葉にしてだせないため、痛みはもとより痛みが原因となる気分の落ち込みを私たちに伝えることもできません。しかし、関節炎に限らず慢性的な痛みを抱える犬たちが元気を消失してしまうことを、多くの方々が実際に経験していると思います。

関節炎をわずらう愛犬と暮らす方は、とりわけ寒い季節には愛犬の体が冷えて血行不良になっていないか、運動が不足していないか、痛みを感じている様子はないかなどの注意をすることが大切です。暑かった日々が過ぎ去り、この季節は犬たちが元気な様子を見せ始めます。今のうちから愛犬の様子をしっかり観察し、冬本番になったときにあらわれる心身の変化を見逃さないようにしたいですね。

 

(本記事はdog actuallyにて2015年12月24日に初出したものを一部修正して公開しています)

【参考サイト】
phys.org
SPOT SPEAKS

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