文と写真:藤田りか子
イギリスで行う綿密な犬とのコンタクトによる猟がなければ、ゴールデンのあの明るくフレンドリーな気質はできなかったはずだ。[Photo by Franco Vannini]
犬種という文化遺産を守るというブログを以前発表したときに、読者の方からフィードバックをいくつかいただいた。その中で、土着の犬種を保護することと、無理な(不健康な)ブリーディングで成り立つ犬種との関連性について問われたことがあった。ある土地に昔から存在していた土着の犬種を保護することと、不健康な体型になるよう敢て選択しながら作り出すブリーディングは、2つの全く異なる行いだ。
だから犬種というと十把一絡げにして
「犬種は悪!犬種は贅沢品!犬種は人間のエゴ!」
とSNSなどで叫ばれているのを見るにつけ、犬種オタクの私としては「もうちょっと深く犬種を見てよ」とマッタをかけたくなる。犬種という概念そのものまで否定することないだろうに…。
ある犬種が生まれたその背景にかかわらず、全て「いけないものとして見なす」気風が存在することを知ったのは、いくつかの動物愛護団体に属している