文と写真:藤田りか子
イノシシ猟に集まった犬たち。4匹がすべて異なった犬であることに注目。手前左の黒い犬は、ヴァクテルとノルウェージャン・エルクハウンドのミックス。右はヴァクテル。その後ろが、ヴァクテルとフランスの猟犬ブリタニーのミックス。一番後ろにいる犬はヴァクテルとロシアのスピッツであるライカのミックス。
スウェーデンでは、今、狩猟シーズンの真っ只中。というわけで、今週は狩猟犬のお話。そして残り少なくなった今年の干支でもあるイノシシにまつわる猟犬について(世界のイノシシ猟犬はこちらも参照に!)
日本と同じように、スウェーデンでもイノシシがこのところ急激に増え、農作地を荒らして問題になっている。私の住んでいるところにもイノシシ勢力は伸びており、何度かその姿を目撃するようになった。農作物被害を抑えるためにも狩猟は必須となる。狩猟とくれば狩猟犬。スウェーデンでは最近イノシシ猟犬が非常に増えた。ただし彼らは純粋な「北欧製」の猟犬ではない。
ドイツやフランスなど大陸のヨーロッパ諸国と異なり、昔からイノシシがいた国ではないので(というか数百年前に絶滅をしている)、イノシシ猟に適した犬は北欧原産の猟犬種には存在しないのだ。だが、ヘラジカ王国のスウェーデンならでは、ヘラジカ猟に特化したスピッツ犬種がごまんといる。ならば、これをイノシシ猟に使えばいいと思われるかもしれない。が、ちょいと問題がある。