文:尾形聡子
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都市部での暮らしにはストレスが多く、うつ病や不安障害などの精神疾患を発症するリスクが高まると言われています。一方、自然の中での散策は心身をリフレッシュし、ストレスや不安感を軽減させたり、眠りの質を改善したりするというようなプラスの効果があるということもよく耳にするものです。2022年には、ドイツのマックス・プランク研究所の研究者らが、自然の中を1時間散歩すると脳の扁桃体と呼ばれる領域の活性が低下することを示しています。扁桃体の活性とストレス反応は正の相関関係にあり、扁桃体の過活性がメンタルの不調を引き起こす原因の一つになりうることが知られています。
では犬の場合はどうでしょうか。犬の生活の質を高めるために重要な「環境エンリッチメント」の側面を考えると、都会暮らしは自然の中での暮らしに比べてストレスを感じる