自分と向き合い、愛犬に「心のハーモニー」を維持してもらう

文:藤田りか子


[Photo by Nathalie SPEHNER]

エンリッチメントと同様に必要なもの

犬にエンリッチメントを入れよう、犬を犬らしくアクティブにさせるべし、と犬曰くで尾形さんと私が声を大にしていくつもの記事で述べているのはご存知の通り。とはいえ、それと同じくらい大切なのが、犬のメンタルを穏やかで調和の取れた状態に保つこと。そのためには、飼い主自身が意識的に「ゆったり」と過ごす時間を持ち、それを愛犬にも感じ取らせ、身につけさせることが必要だ。

ディスクやボールなどを投げては取らせるという遊びを何度も繰り返し行うのは、犬をアクティブにするけれど、同時に「オフ」のスイッチの入らない「セカセカ犬」にしてしまうことになる。また、ハチャハチャした犬だからこそ、もっとアクティビティを入れて疲れさせたら問題は解決する、とも考えたくなるが、さにあらず。激しい遊びやスポーツは限度問題、過剰になれば逆効果となる。

何かを追いかける、というのは犬の狩猟本能の基づく行為だ。狩猟欲がくすぐられれば犬の体はそれに対応できるよう準備をはじめる。心拍数や血圧を上昇させ、筋肉や脳への酸素・エネルギー供給を増やそうとする。このスイッチをいれるのがコルチゾールやアドレナリンといったストレスホルモンなのである。

ただしストレスホルモンは

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