インパルスコントロールは、犬のパフォーマンスをダメにする…?

文:藤田りか子


[Photo by Giorgio Trovato]

「うちの子、すごいのよ〜!」

と「スワレ」やら「マテ」をさせ、インパルスコントロールが効いた愛犬の「お利口さん」ぶりを見せびらかしたことなど、あったかもしれない。ところが、その後もお行儀よく振る舞ってくれるのか、というと、急にガウガウしたりハチャハチャしはじめたり。

「あれ、どうしてうまくいかないのかな、いつもはできているんだけど….」

と頭をぽりぽり。

慣れない環境で無理にインパルスコントロールを強いると、かえって犬の行儀が悪くなる…、そんな経験みなさんにはないだろうか?要は犬の感情コントロールでもあるのだが、日常のシーンだけではなく競技会のときにも(というか、競技会のときこそ!)意識すべきポイントである。

たとえばノーズワーク競技会中の待機。自分の番がくるまでしばらく時間がある。犬をケージから出して待たせた方がいいのか、それともケージに入れたままにして、自分の番号が呼ばれたらさっと出してサーチに向かうのがいいのか….? ケージから出して待たせると、どうしてもインパルスコントロールを強いることになる。他の犬に興味を持たせないように、ひとところに座らせたり(他の犬と接触させない、というのは競技会会場のエチケット)というような状況は避けられない。

「でも、それぐらい私とコンタクトを効かせておく方が、犬もサーチのときにシャキッとするかもしれない…..よね?」


ノーズワーク競技のみならずガンドッグ競技のときも、このように自分の順番がやってくるまで待たなければならない。ケージから出して一緒に待つのがいいのか、それともケージにギリギリまでいてもらうのがいいのか…?「待つ」についてのマネージメントは競技会のパフォーマンスをよりよくするための考慮事項の一つでもある [Photo by Rikako Fujita]

あるいは、ケージで待たせておいてリラックスさせておいた方がいい、と考えるハンドラーもいるだろう。でもね、とすかさず反論が来る。

「それだと、犬が予め環境をチェックできなくて、いざサーチとなってもにおいをとることに集中できなくなるのよ〜」

ノーズワークといわずとも、ドッグカフェのシーンで、あるいは他のドッグスポーツを行う中で、待機中は犬をどうするべきか、を友人と議論を交わした人はいるのでは?集中力を温存させるために、インパルスコントロールを必要とする状況に犬を居させない方がいいのか、あるいは、ハンドラーとのコンタクトを高めるウォームアップの一環としてあえてインパルスコントロールを取り入れる方がいいのか。

ケンタッキー大学のHolly C. Millerらは、この問いに答えるべく調査を

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