獣医療に光〜AIアルゴリズムによる犬の心雑音検出に成功

文:尾形聡子


[photo by Andrii Lysenko]

以前、「獣医療にもAIを〜短頭種のBOASの客観的診断に向けて」にて、デジタル聴診器を使って収集したデータを機械学習アルゴリズムを使用してAI診断する研究を紹介しましたが、人の医療現場のみならず獣医療領域においてもAI技術の活用に向けた研究が行われるようになってきています。科学的なエビデンスに基づいて作られる診断基準に沿った診療をするためにAIの力を役立てていくことは、これからの獣医療に大きなメリットをもたらしてくれるかもしれません。

小型犬に多くみられる僧帽弁閉鎖不全症(粘液腫様僧帽弁疾患;MMVD)、肺動脈弁狭窄症や大動脈弁狭窄症などの僧帽弁疾患は、心雑音の強度と重症度とが相関することが知られています。特に僧帽弁閉鎖不全症は小型犬や高齢犬では30頭に1頭が罹患すると言われています。重症度を正確に診断するには心エコーが必要で、かつ、臨床的な専門知識が必要とされる病気です。しかし、心エコーをしたり心臓の専門性の高い動物病院にかかることは飼い主にとって費用も時間もかかることです。さらに、聴診器による心雑音の強さの診断はあくまでも主観になるため、一次診療の獣医師によってはばらつきが生じてしまいます。

そこで

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