文：尾形聡子
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犬は人とのコミュニケーションをはかれる能力を備えた生物であることは、世界中で周知の事実です。それは、長年にわたり犬は人と共に暮らし、人が人為的に選択繁殖を行なってきた結果であり、進化の賜物であると考えられています。
21世紀に入ってからというもの、犬が進化させてきた社会的な認知能力を科学的に証明する研究が数多く発表されるようになりました。そのようなことからも、私たちは犬には祖先のオオカミよりも人間社会で共存していく上でのあらゆる能力が高いと無意識のうちに思ってしまう節があったかもしれません。そんなふうに感じてしまった研究が最近二つ発表されているのを目にしたので、今回はそれらを紹介したいと思います。いずれも「表情」についての研究です。
