日本人の犬比較、実は犬を比べているのではないのかもしれません。

文:北條美紀


[Photo bywayhome.studio]

どうしても自分の犬を他人の犬と比べてしまうんです…」の記事の中で、藤田りか子さんが「自分の子どもをよその子と比べる母親みたいな視点が犬の飼い主の世界にあった」ことにびっくりし、日本ってちょっと「イってる」と指摘しているが目に留まった。今回は、日本人がイっちゃってるのかどうか、記事内で紹介されていた社会的比較理論とはちょっと違う視点から、この「イっちゃってる感」について考えてみようと思う。

記事の中で非常に印象的だったのは、グループレッスンに参加したスウェーデンの飼い主と日本人飼い主の発言が全く異なることだ。そもそもスウェーデンの飼い主は、自分の犬と誰かの犬を比較することは滅多にないらしい。そして、「あの子は作業が得意なボーダー・コリー、うちの子は独立的に狩猟作業をするダックスフンド。そもそも犬種の歴史も違います」、「ダックスフンドのこの独立気質がいいんですよー」と自信たっぷりに話すという。一方、日本の飼い主は、他の飼い主の犬と自分の犬を比べては、「うちの子、どうしてXXさんの犬みたいにならないのかしら?」と(恐らくうつむいて恥ずかしそうに)話す。

一見すると、どちらも犬同士を比べているようだが、日本の飼い主は犬も飼い主もひっくるめて比較し、「よそのおうちのようにできない」ことに頭を抱えて縮こまってしまう

【こちらは有料記事です】

続きを読むにはして下さい。

ご購読いただくと続きをご覧いただけます。

今すぐ会員登録して続きを読む