「解放のシグナル」という魔法の言葉を犬に教える

文:藤田りか子


[Photo by Barnabas Davoti]

しつけ教室で必ず学ぶこと

愛犬しつけ教室で教えてもらうことの定番といえば、コンタクトトレーニングや呼び戻しだ。これは筆者が住むスウェーデンの場合だけど。日本でもやはりそうなのかな?だが、この間ノルウェー人ラリーオビディエンスのインストラクター、ソルベイ・セッテルストレムさんのウェビナーを聴きながらもう一つドッグスクールにおける定番技能があったことを思い出した。

「いいよ!」という「解放」のシグナルだ。「おかあさんに集中をしなくてもいいよ、好きなことしていいからね」と人との作業モードを解放してあげる合図。これ、北欧人の犬トレーニングの十八番じゃなかろうか。スウェーデンでは誰もが使っている。ソルベイさんはただしこの解放シグナルを犬からのコンタクトと集中力の持続を培うツールとして教えていた。

今からもう25年前のことになるが、スウェーデンにおけるポジティブトレーニングの草分け的存在であるCさんというドッグトレーナーを取材したときにそのシグナルについて初めて学んだ。彼女は子犬とコンタクトトレーニングをしたあと、必ず終わりに「いいよ!」と合図を出していた。

「なるほど!」

と思ったものだ。その大事さというのは犬に

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