文と写真:藤田りか子
携わっているドッグスポーツの分野に拘らず、優秀なドッグトレーナーにはいくつかの共通項がある。これはその道のトップと言われるレーナーに出会ったり話をきいたり、あるいはその人のコースをとったりする中で、確信したことだ。たとえばオビディエンスのトップクラス級インストラクター、Aさんは、畑違いのドッグスポーツであるガンドッグのこれまたトップクラスに属するインストラクターBさんと全く同じことを述べていたりする。トレーニングに対する考え方、そのアプローチがあまりにも同じなので、おそらくAさんがガンドッグのトレーナーになっても、きっとBさんと同じぐらいその道のエキスパートになっていただろうと思う。そしてBさんについても同様、彼はたまたまガンドッグの世界にいるものの、オビディエンスの世界にいたとしても同様の成功を収めていただろう。
優秀なトレーナーたちが持つ共通項のその一つについてここで考察してみたい。何を隠そう、それは犬とのコミュニケーション力である。
「そんなこと、トレーナーならできて当たり前だ」と思うかもしれない。けれども犬との良きコミュニケーションを達人はどう行っているか、について