文:尾形聡子

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今から20年ほど前のこと。犬の認知科学研究が脚光を浴びることとなった研究が発表されました。現在もなお実験手法として広く使用されている「指差し実験」です。指差し実験とは、人が指をさす行動をコミュニケーション信号として受け取り、その方向へ犬が向かうかどうかを調べるものです。人の子どもの場合は2歳くらいまでに指差しジェスチャーが何を意味するのかを認識することがわかっており、犬にはそれと同等の認知能力があることを、初めて科学的に証明したものでした。
その後、指差しの方法を変えて試してみたり、人の手により育てられたオオカミと比較したり、犬種別に比較してみたりとさまざまな実験が行われてきました。また、犬の指差しジェスチャーへの理解は人の子どもと同様に、少し成長をした21週齢を過ぎてから獲得していくことが示されています。このような、人の指差しジェスチャーへの理解について藤田さんが興味深い考察をしているので、ぜひ以下の記事も一読ください。
さて、犬の認知行動学における老舗実験とも言える指差し実験ですが、最初にこの実験方法を実践した、ハンガリーのエトベシュ大学の研究者らが、新たな研究を行いました。世界中で愛され続けているペットの二大巨頭、犬と猫の指差しジェスチャーへの理解力を比較したのです。
結論から言うと、


