犬の粘り強さはどこからくるのか?〜持続性がカギに

文:尾形聡子


[photo by Eric de Boer]

犬の感情、「諦め」と「粘り強さ」

犬が新しい何かに挑戦しようとするとき。新しいこと自体に腰がひけてしまうのか、ちょっと試してはみるものの早々に諦めてしまうのか、それともある程度まで自分で頑張ってみるのか、あるいは飼い主に助けを求めようとするのかなど、とある問題にぶつかったとき犬はいくつかの行動パターンを見せます。「諦め」と「粘り強さ」は犬自身の中から生ずる感情に基づくもので、いずれも経験から学習して得られる感情です。

たとえば、何をやっても無駄と感じてしまい、たとえできることでも早々に放棄してしまうような状態のことを「学習性無力感」といいます。学習性無力感について詳細は臨床心理士の北條美紀さんの「あなたの犬に「何をしてもムダだ」と感じさせないように」をご覧ください。

一方で、学習性無力感とは逆のコンセプトにあたる「学習性粘り強さ」については、藤田りか子さんが「「かわいい愛犬には旅をさせよ」〜学習された粘り強さ、そしてストレス耐性」にて詳しく説明しています。困難な状況に対する抵抗力、そしてその抵抗力が持続する状態であれば、ストレスへの対応力も高まり楽観的に生きていきやすくなる状況が生ずると考えられます。

これまでに、犬の社会的行動や課題に対する行動を測るための数々の研究が行われてきました。指差し(人のジェスチャーへの反応)や解決可能または解決不可能なタスク(自ら挑戦するか、人に助けを求めるかどうか)などを専門的な訓練を受けた作業犬や盲導犬、あるいは一般の家庭犬などに与えることで、トレーニングの行動への影響

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