文:藤田りか子
ボーダーコリーのパピー [Photo by Heidi W. Pedersen]
「どの子犬を選ぼう?!」
これ、すごく難しい。正直、どの子もみな同じようにも見えるし、困ったことにどの子も等しく可愛い。何を基準にして選んでいいかわからない私たちは、子犬たちが眠りから覚めて兄弟姉妹同士で遊んでいる際の行動を参考にしたりする。従順な子が欲しいなと思う人は、喧嘩遊びをしているときに、他の子にのっかりやたらとマウントをしかけるような犬はとりあえずチョイスから外すだろう。アクティブに犬と過ごしたいという人は、活発な子を。おとなしい子を求めている人は、周りで子犬達が遊んでいても、隅で満足そうに座っている子に目をつけるかもしれない。
とはいえ、子犬の遊び方をみることが正しい選択につながるのかは、はなはだ疑わしい。以前アシカの子犬を見に来た人が、「おとなしめなこの子がいいわ」ととあるオス犬に目をつけた。もう一頭のオスの子は狂ったように走り回っていて、「あの子は選びたくないわね」とその人はつぶやいた。だが、彼女が帰っていくやいなや、走り回っていた子はぐっすり寝始め、大人しくしていた子の方はやっと気持ちがノってきたのか、やんちゃぶりを発揮して部屋を走り回っていた。
「あはは」
私は苦笑いをした。子犬を選ぶのは本当に難しい。そもそも犬が幼い頃に見せる行動は、将来成犬になったときに反映されていくのだろうか。そんなことを調べていたら、犬種によって子犬の遊び方に差があるのか?、を調査したスウェーデン人による研究を見つけた。2008年に発表されたものだが、とても興味をそそられた。
なるほど、同胎の兄弟姉妹であれば、同じ犬種同士だから行動にも違いがあまりでてこない。だから、選ぶのが難しいのであって、犬種という枠組みで見れば、すでに子犬時から何か特徴があるのかもしれない。そうだとすれば、子犬時に見せる行動はやはり遺伝子に組み込まれているものであり、将来の行動に何かしら反映される、と結論することができる。
「う〜ん、どの子にしよう!? 」ラブラドール・レトリーバーのアシカを選びに犬舎に赴いたときのこと。 (Photo by Rikako Fujita)
ボーダー・コリー、ラブラドール・レトリーバー、ジャーマン・シェパード・ドッグの比較
犬種ごとに遊び方に差がある?もしあるとすれば、それはどんな風に現れているのだろう?この興味深い研究を行ったのは、