よりよいメンタルの犬を作る努力、スウェーデンのスパニッシュ・ウォーター・ドッグ・ブリーダーに聞く

文と写真:藤田りか子

[Photo by Satoko Ogata]

当サイト「犬曰く」の共同運営者でもありサイエンスライターの尾形聡子さんが日本からはるばるスウェーデンの我が家に遊びにきてくれた。私にとっては、この夏一番のハイライト!尾形さんにとってスウェーデン訪問は初めてだ。

彼女にスウェーデンでなにをしたい?と聞くと開口一番、

「スパニッシュ・ウォーター・ドッグのブリーダーを訪ねてみたい」

との答えが。そう、スパニッシュ・ウォーター・ドッグ(以下SWD)とくれば尾形さん著「ゆる〜り下町犬暮らし」に登場するタロウとハナを思い浮かべる人も多いのでは?日本ではまずみかけることはないだろう珍犬種。だが残念なことに2年前にタロが16歳、そして昨年はハナが17歳で虹の橋を渡っていってしまった。

SWDはその名の通りスペイン原産の犬種だが、スウェーデンには他のヨーロッパ諸国に比べ一定数のブリーダーが存在し毎年約300〜350頭ほどの子犬が登録されている。スウェーデンの人口は1000万人そこらだから、それを考えるとこれはかなりと高い数字である。せっかくはるばる北欧のこの地に来たのなら、愛する犬種SWDのブリーダーを訪問しない手はない。そう尾形さんは考えた。

この犬種についてグローバルスケールで詳しいイギリスの知人が「この人こそ」というブリーダーのイェニーさんを紹介してくれたので、さっそくアポイントをとっていっしょに訪問をした。ブリーダーのところに訪れたのは、かわいい子犬を見たい、というようなうわついた理由ではない。もちろん子犬を見れるのにこしたことはないが、私も尾形さんも一番興味があるのは「スウェーデンではどんなブリーディングを行なっているのか?」「ブリーディングの中で犬種のどんな特徴を大事にしているか、あるいは向上させようとしているのか?」であった。

怖がりの犬が多いからこそ気質を向上させたい

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