文:北條美紀
[Photo by byronv2]
犬のストレスを考える上で避けて通れない重要なポイントは、人が犬にとってストレッサーとなる可能性があることだ。犬の生活場所や食べ物を決めるのも人、どこに散歩に行き、どんな経験をさせるのかも人次第。これらは、犬にとっての物理的、身体的ストレッサーとなる。そして、人の心身の状態や犬との関係の持ち方は、犬にとっての社会的・心理的ストレッサーとなる。
もちろん、ストレスのすべてがいけないわけではない。適度なストレスには、犬のストレス耐性を高めるというメリットがある。ただ、過剰になると心身に慢性的なストレス性疾患を引き起こす可能性がある。そもそも、生きていくことにストレスはつきもので、重要な刺激でもあるのだが、犬にとって過度にならないよう、人は自分自身のストレスコーピングを洗練させる必要があるだろう。
さて、ストレスを理解する上で大切なストレッサーやストレスコーピングという言葉について、まずは説明をしておこう。