ガンドッグのライニング、No-Go問題

文と写真と動画:藤田りか子

エリアに向かってまっすぐ走れ!と、アシカにコマンドを出す。次の瞬間自分の前を勢いよく走る彼女の姿を見るだろうと思いきや、なんと!アシカはまだ私の横に留まったまま。そのがっかり感ときたら。弾が入っていると信じて「撃つぞ!」と狙いを定め銃の引き金を引いた瞬間。その時の気抜け感と全く同じ。カチ。あれっ、発砲しない!

そう、アシカはライニングの合図「Go back!」を出しても、必ずしもすぐに走っていかないことがあった。毎回とは限らないのだが、ブラインドあるいは再度同じエリアに出される状況において、どうしても前に出て行こうとはしなかった。自信がないのか、迷いがあるのか、それとも同じことをもう一度繰り返してやりたくないのか…。いや、でも自信がないはずがないだろう。送り出されたその向こうには必ずダミーが転がっており、いつも成功で終わるようにトレーニングはセッティングされている。ということは、もしかして彼女は繰り返しが嫌なのか?

ライニングで前に出て行かない現象を「No-Go」と表現する。実は

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