文:尾形聡子
[photo by rpavich]
チワワ、シーズー、フレンチ・ブルドッグ、パグ、キャバリア、ペキニーズ・・・2017年の1年間にJKCに登録された犬種別頭数を上から見てみると、小型の短頭種の名前が数多く見られます。小型短頭種は日本のみならず、世界的にも人気が高まっているようです。しかし、短頭種はマズルが短く頭が丸いという形態的な特徴から、気道閉鎖症候群(BOAS)と呼ばれる呼吸器系の病気になりやすかったり、シワの多さから皮膚病にかかりやすいなど、さまざまな健康問題を抱えがちでもあります。
気道閉鎖症候群は呼吸機能が異常となる症状の総称で、太い舌根や軟口蓋過長症、鼻の穴が狭い、鼻道が短い、気管が正常に発達しないなどの構造異常がみられます。そのため、気管の入り口が閉塞して呼吸困難を引き起こしやすくなります。呼吸機能が低下しやすければ自ずと運動をしたがらなくなる傾向にもなるでしょうが、パグが運動を嫌がる理由はそれだけではない可能性が示されました。スウェーデンの研究チームにより『Veterinary Record』に発表された研究によれば、スウェーデンに暮らすパグの3頭に1頭に歩き方の異常が見られたそうです。