所変われば、犬も変わる?同じ犬種でも国によって行動の差は生ずるのか

文:尾形聡子

[photo by Ryan Scott]

たとえ同じ犬種でも、一般的には家系により遺伝的な差が見られます。ラブラドールならば、ショー系かフィールド系かで生まれ持った特性が異なるのは『コロコロとスリム、二つのタイプのラブラドール・レトリーバー』や『ラブラドールに見る、遺伝しやすい行動特性は?』などでも紹介してきました。

また、人の各犬種に求める嗜好が国や地域によって異なっていれば、それぞれの国で生きている犬たちは多少なりとも遺伝的に違いを持つ集団になっていると考えられます。さらには犬が生活している国や地域によって、後天的に差異が生まれることもあるでしょう。たとえば、飼育環境が屋外か屋内か、好まれるトレーニング方法が何か、去勢手術の有無などの環境要因、その国や地域の慣習や社会的背景が影響して、同じ犬種でも行動の違いとして現れてくる可能性は大いにありうることです。

近年、さまざまな犬の認知研究がおこなわれていますが、研究で行われたテストの結果は該当犬種において世界的に見ても普遍的なものであり、どの国や地域でも同じような結果が出ると考えていいものなのでしょうか。そんな問いに答えるべく新たな研究が行われ、

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