文と写真:アルシャー京子
ヒトも動物もけして一人ぼっちで生きているわけではない。いや、生きては行けないと言った方がいい。
これ、犬も一緒。さらにはミクロの世界も一緒。
皮膚の表面を顕微鏡でズームアップして見てみると、そこには一面にバクテリア(細菌類)がびっちりと生息している。丸いのや細長いの、大きいの、小さいのといろいろなのが所狭しと乗っかっている。実はこれが外部から体を守るガードの第一線なのである。
「バクテリアなんて気持ち悪い!汚い!」なんていわないで。彼らがいなければ犬の体もヒトの体も文字通り「丸裸」で、極めて無防備な状態にさらされてしまうのだから。
つまり私たちの目の前にいる愛犬もよくよく見れば「愛犬+バクテリア」という存在なのだ。
常在菌とは?
体表に生息する細菌類のことを一般に「常在菌」といい、皮膚表面につくものを外部常在菌、口腔や腸内に生息するものを内部常在菌という。腸内細菌はもちろん後者。
腸内はいわゆるダイナミックな細菌のエコロジー・システム。生まれたときは誰もが無菌状態であるが、母乳を飲み離乳をする頃にはすでに環境内の菌種バランスが決まるという。菌の数は年齢と共に増えてゆく。
母乳を長く飲み、自然な離乳時期を過ぎて育った犬の腸内には