犬の問題行動、なくなれば幸せになれるの?

文:北條美紀

飼い主は時として愛犬を自分の理想像に当てはめようと無理をすることもあるが….[Photo by jugglingpics]

先日、とても興味深い話を聞いた。子どものウェルビーイングを高めるための教育に関する研修会に参加したときのことだ。講師としてお話してくださったのはストレングス協会代表理事の松隈信一郎氏。ひきこもりや不登校に、「強み」を使ってアプローチするプロだ。彼の話を聞きながら、「これは、犬の問題行動を考える上でも役に立ちそうだぞ!」と思った。

今の社会では、当の本人が困っているかどうかは別として、ひきこもりや不登校は改善すべき問題行動の一つとして捉えられることが多い。周囲の人間は、何が原因か、何が足りないのかを見つけようとし、それがわかれば問題は解決すると考える。そもそも、人間には原因を探す癖がある。問題行動の原因を病気の中に探せば、発達障害やうつ病、不安障害などの診断が下されることもあるだろう。実際、これらの病気に医学的にアプローチすることで精神的苦痛が改善されることもある。

ただ、精神的苦痛が緩和されれば、ひきこもりや不登校が解消し、毎日が楽しくて充実した日々になるのだろうか?果たして、

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