文:尾形聡子
[photo by David Clode on Unsplash]
近年世界的にミニブタあるいはマイクロブタと呼ばれる、大きくならないタイプのブタがペットとして飼育されるようになっています。実際に飼っている人に遭遇したことがないので実感はないものの、どうやら日本でもブームになっているようです。ブタと触れ合うことができるところといえば、動物園の一角にある子ども触れ合いコーナーや牧場になると思っていただけに、マイクロブタカフェなるものが都内に何店舗もあることを知りちょっとした衝撃を受けました。
ペットとして受け入れられるようになったブタは、食肉用のブタと同様、そもそもイノシシが家畜化された動物です。当初の目的は食肉用としての家畜化でしたが、そこから小型化するように改良され、ミニブタあるいはマイクロブタなどが誕生しています。ブタ腎臓移植など、近年では医学研究や医療分野での活用を目的としてもブタが使われるようになっています。
家畜化された時点で、祖先のイノシシよりもブタの性格が穏やかになっていることは想像に難くありませんが、人にペットとして受け入れられるようになったのはミニブタ(マイクロブタ含め、以降ミニブタと表記)の持つ特徴が大きいと考えられます。ミニブタは犬と同様に集団生活を営む動物であること、とても人懐っこい性格で綺麗好き(トイレを覚える)、においが少ない、ちょっとしたコマンドを覚えることができるなど、人から好まれるペットとしての特性を持っているためです。
実際に、犬の社会的認知行動研究のパイオニア、ハンガリーのエトベシュ大学の研究者らは長年にわたってペットのミニブタの認知研究も行っており、ミニブタが人に対して犬と似た行動をすることを報告してきています。これまでに、