文:尾形聡子
[photo by Dineshraj Goomany]
環境強い犬は、幸せな犬。
これは『スポーツとしてのノーズワークで「環境強い犬」に育てる!』の中での藤田りか子さんの言葉です。環境に強い、すなわちどんな環境でも怖がりすぎずにやり過ごせる犬は、過度に怖がりな犬に比べて生きていくこと自体にストレスがかかりません。
恐怖や不安という感情はストレス反応を引き起こします。Wikipediaによれば「ストレス反応とはホメオスタシス(恒常性)によって一定に保たれている生体の諸バランスが崩れた状態(ストレス状態)から回復する際に生じる反応をいう」とされ、ストレス反応は生物が生きていく上で必須の重要なメカニズムです。ストレスを受ければストレスホルモンとして知られるコルチゾールの濃度が上昇し、心拍増加・血圧上昇・食欲低下などの反応が体にみられるようになります。しかしストレスが慢性化していたり、頻繁に強度のストレス状態に陥ることが続けば、コルチゾールの正常な分泌が妨げられ、免疫や代謝など体のさまざまな機能に悪影響を及ぼすことも知られています(下記リンク記事参照)。
https://www.konishi-clinic.com/medical_information/archives/149
社会化期は脳神経形成に重要な時期
犬においては、子犬の時期に適切な刺激