文:藤田りか子
ドイツの森にて [Photo by ♦ Peter & Ute Grahlmann ♦]
さる8月19日にドイツのメディアから「1日に最低2回、そして合計1時間は犬を散歩に出すべし」という規則が法律化されるというニュースが発表された。
https://www.cnn.co.jp/world/35158476.html
ドイツの動物保護事情といえば「ティアハイム」とか「殺処分ゼロ」のポリシーが日本のメディアでは称賛を浴びているが、この新しい法案に対して世間の反応は今一つ。「いかにも規則好きなドイツ人だね、少し極端すぎない?」とか「綱吉のお犬様思考だ」と笑う人もいたりで、ちょっと引いた感じ。いかにも度が過ぎた法律といわんばかりだ。おまけに揚げ足を取るような発言も多くあった。
「私の犬は老犬です。そんなにたくさん歩かせることができません」
「日本の夏は暑過ぎて、1時間も歩いたら熱中症にかかってしまいますよ」
「うちの子は散歩が好きじゃないのです」
ドイツ在住の方に伺ったところ、この法律はそもそもバックヤードブリーダーやホーダーなどを取り締るのが主な狙いだそうだ。しかし、一般飼い主を対象として存在しても悪い法律ではないと思う。「犬の散歩は1日に最低2回」を額面通りに解釈するから、日本では上記のような空回りする発言が出るのだ。まずはドイツにおけるこの法案のバックグランドとなっている考え方を