コロナの嵐が吹いていても犬の散歩はOK

文と写真:藤田りか子

[Photo by Metro Centric]

いつの間にかヨーロッパがコロナ台風の目になってしまった。感染者の数は数日の間に2倍、3倍と増えている。

そしてイタリアとスペインでは外出制限が出された。とは言っても、犬の散歩をするときは例外となっている。さすが。ヨーロッパにはトイレシーツの文化がないからだけではない。やはり犬にとって外に出て排泄を行い地面のにおいを嗅ぐことはとてもとても大事なこと。動物の習性を満足させるのは、アニマルウェルフェアの根幹のひとつでもある。

さて、犬を口実に外に出たい人もいるだろうと、新しい商売をする人もイタリアに出没。なんとお散歩用犬のレンタル!そのレンタル料は1時間10〜25ユーロ(1200円〜3000円)ほど。借りた犬を介してコロナが感染しないのですか!?などと質問する人もおそらくいないのだろうなぁと想像している。

筆者の住むスウェーデンも南欧ほどではないが、感染者密度(人口比)は今や日本の20倍に達した。外出制限は出されておらず、個人の「常識」に任されているが、3月11日に政府は500人以上の大イベント開催禁止を言い渡した。のみならず各々の判断でありとあらゆるイベントやミーティングも軒並みキャンセルとなった。犬のイベントはというと…?

スウェーデンケネルクラブは、たとえ500人以下の規模のドッグショーであろうと、あるいはドッグスポーツ競技会であろうと、ケネルクラブ規定に記されているフォースマジュール(不可抗力)を適用してすべてキャンセルにしても良し、という通達を各犬種クラブやローカルクラブに出した。というわけで5月下旬以前に予定されていたドッグショーはほぼすべて開催中止となった。そもそもヨーロッパの他の国から招聘しているショージャッジすらも今や国外への渡航禁止で来れない状態だし…。

一方で個人が運営しているドッグトレーニングのセミナーやワークショップなどはその決定は様々だ。個人的には、4月にレトリーバーの2日間トレーニングセミナーを控えているのだが、インストラクターに状況を尋ねたところ、屋外の広いフィールドでトレーニングするものだし開催を予定します、と答えてくれた。そして

「皆さん、大人としての常識をつかってそれぞれの判断で臨んでくださいね」

とも。

友人同士でのレトリーバートレーニングも多くは小規模の集まりなので、実行している人が多い。たまたま今日その練習会に出かけてきたところだ。会えばたいていハグをするものだが、今回はお互いに2mぐらい離れてハグのジェスチャーをするだけ。そう、これぞリモート・ハグ。初めてあった人にはリモート・握手。けっこうなんでもリモートでこなせるものだ!

そして送り出したレトリーバーにも右へ行け、真っ直ぐに行け、のホィッスル(犬笛)によるリモート・コマンド。いや、これはいつもやっていることだけど。

【参考サイト】

Smitthärdar nu även i södra Italien – tusentals bryter mot karantänen
Utegångsförbudet hålls inte i Italien. Bara i lördags stoppades över 7 000 personer ute utan tillstånd. Nu har smitthärdar uppstått även i söder.– Det är 90 pro…【続きを読む】