去勢済みのオスは肥満になりやすい!?デンマークの研究より犬の肥満のリスクファクターを探る

文:尾形聡子

[photo by Mitch Barrie]

世界中を見わたしてみると、とりわけ先進国での犬の肥満率は高い状況が続いていて、ここ日本も例外ではありません。なぜ犬の肥満がよくないかは、人とまったく同じ理由によります。肥満そのものが病気というわけではありませんが、肥満であることがさまざまな病気の引き金となるためです。さらには肥満が寿命をも短くするという研究報告もされています(『肥満は家庭犬の寿命を短くする恐れあり』を参照ください)。

人も犬もいとも簡単に太るのに、残念ながら痩せるのは一筋縄ではいかないものです(もちろん、なかなか太れない体質の人も犬もいますが)。体重を落とすためには摂取カロリーを減らし運動量(消費カロリー)を増やせばいいという図式は頭で理解していても、それが実践できるかどうかはまた別問題。

人と違って犬は通常、飼い主によってすべての摂取カロリーや運動をコントロールされる生活を送っているため、犬の肥満は飼い主が作りだしているといっても言い過ぎではないと思います。ラブラドール・レトリーバーのように遺伝的に太りやすい体質である場合もありますが、報告されているリスクファクターの多くは環境要因です。日ごろの食生活や運動習慣、不妊化状態、年齢など多岐にわたって複合的な影響があると考えられています。たとえばメスの方がオスより肥満になりやすい、不妊化手術や加齢が肥満リスクを高めるなど、皆さん一度は見聞きしたことがあるのではないでしょうか。

しかしリスクとなり得る環境要因については相反する結果が出ている状況でもあります。たとえば、1日1回または3回以上の食餌回数が肥満のリスクになるという結果もあれば、1回だと肥満リスクが低下するという結果があったり、運動レベルの高い犬が肥満になりにくいという報告もあれば、運動レベルは肥満との関連性が見られないといったようにまちまちです。

環境要因として、さらには飼い主自身の性質や、飼い主と犬との関係性が肥満に関連しているかという点に着目した研究も行われています。これまでに、肥満犬の飼い主は犬を擬人化する傾向にあったり、BMI(体格指数)の高い飼い主は犬への愛着がより強いことが示されたりしています。

そして先日、『Preventive Veterinary Medicine』に掲載されたデンマーク発、コペンハーゲン大学の研究者らによる論文には、肥満犬となるリスクファクターに関する新たな興味深い調査結果がでています。

4つの要因と犬の肥満との関係を調査

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