文:尾形聡子
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みなさんは犬のどこを見て恐怖を感じていると判断していますか?
尻尾を下げる、ハアハアとパンティングをする、耳を後ろに寝かせる、体を硬直させる…など、犬は恐怖を感じると体の色々な箇所に恐怖シグナルをあらわします。以前、『怖がりな犬についての大規模調査~フィンランドの研究より』で紹介したような、飼い主へのアンケートを元に解析を行う研究が世界中で数多く行われていますが、実際のところ、飼い主はどのくらい正確に犬が恐れている状態を認識できているものなのでしょう。もし、アンケートに参加する飼い主の多くが犬の恐怖行動をあまり認識できていないとするならば、アンケート調査そのものの信ぴょう性は低いものとなってしまいます。
その点に着目したカナダのゲルフ大学オンタリオ獣医学部(Ontario Veterinary College, University of Guelph)の研究者たち。飼い主はどの程度犬の恐怖行動を認識できているものなのか、そして、飼い主が犬の恐怖行動を見極めるトレーニングを受けたあとには、その精度は高まるのか