舌をペロリ!その時の犬は何を感じている?

文と写真:藤田りか子

本当にいつもネガティブな感情?

犬が舌を出してペロリとする行動。これ、よ〜く見る仕草ゆえに、いろいろ解釈があるかと思う。お腹をすかせた犬がペロリと舌なめずりをする、というのはアニメでよく見られるものだ。が、実際のところ、食べ物を前にしている犬はむしろよだれをポタポタと落とすことに終始している。

ドッグトレーナーの世界では、舌ペロリは「居心地が悪い」「ストレスを感じている」と解釈されたり、あるいはカーミング・シグナル(相手をなだめるシグナル)として捉えられてきた。学問の世界でも、この行動について色々と解説がなされている。それどころか、犬のウェルフェアの指標としても使われているぐらいだ。例えば部屋に一匹残された犬がどれだけストレスを感じているか、舌なめ行動で推し量った実験例もある。さらに最近発表されたイギリスとブラジルの共同研究によれば、犬の舌なめ行動は音声よりもビジュアルな刺激が元になって表現されやすいということだ。それも同じ犬仲間ではなく、人の怒った顔を見ることが大きな引き金になるという。一方、人が笑い顔を見せているときは、それほど犬はペロペロをやらなかった。というわけで、舌なめ行動はどちらかというとネガティブな状態に出される感情表現として解釈すべし、とこの報告は我々を導いてゆく。

相手をなだめている時も舌をペロリ!

しかし経験的に言ってどうだろう? 例えば下の写真を見ていただきたい。

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