ノーズワーク・トレーニング(3)においの刷り込み完了!

文と写真と動画:藤田りか子

前回フラット・コーテッド・レトリーバーのトゥルーラは、ラインアップでのにおいなら簡単に嗅ぎあてた。さらにラインアップ外に臭源があっても、「他のところでも、探せばあるんだ!」と気がつくまでになった。

あれからエヴェリーナさんはラインアップを卒業して、まずはターゲット臭を入れた瓶を部屋のあちこちに隠してサーチをさせる練習を続けたそうだ。なんと、トゥルーラはすんなりとゲームの要領を得たようで、「においを探す」という行動を自然に見せたという。

ラインアップをマスターした後、部屋ににおいを隠して探させる、という移行は意外や意外、たいていの犬がスムースにこなす。しかしサーチはまだ屋内にとどめることだ。屋外は風があるからにおいが色々な方向に流れやすく、初心者の犬にとっては易しくない(したがって学習が起こりにくくなる)。屋内でしばらくトレーニングを積んだのち、屋外のサーチ(エクステリア・サーチ)に出るといいだろう。

前回から10日後の今日、トゥルーラには初めてコンテナー・サーチを試してもらうことにした。ノーズワーク競技会のノービス・クラスであるNW1では、コンテナー・サーチ部門は厚紙製の箱だけを使って行う。しかしここではプラスチックのカゴで代用。アドバンス・クラス(NW2)になるとプラスチック製の容器やカバンを含め様々なコンテナーが登場するから、決して無駄な練習ではない。というわけでトゥルーラが前回のセッションからどれほどノーズワーク技を磨き上げたかご覧あれ!

ここまでくれば、トゥルーラのにおい刷り込みは完成と見なしてよし!ノーズワーク・トレーニング(1)の撮影時から今日まで、ほぼ三週間。当初の「何をしたらいいか分かりませ〜ん!」から、現在の、においを求めてスムースに動き回るトゥルーラの様子を見比べて欲しい。

一旦ターゲット臭を覚えさせたら、あとはひたすらサーチの練習、練習、また練習。そして本当のノーズワークの面白さが始まるのは、これからだ!これまでのトレーニングは、ノーズワークをやるためのお膳立てに過ぎない。犬が環境、状況に応じて見せてくれる様々なサーチのパフォーマンスこそ、ノーズワークの醍醐味だと思う。ただし私たちはサーチ技術を犬に直接教えることはできない。これは犬が経験を通して自分で学ぶもの。そのためにはとにかく犬にいろいろな環境にてサーチの場を与え、場を踏ませてあげること。もちろん犬のモチベーションを高く保つことも忘れずに。

この動画でみた通り、トゥルーラは前脚で箱を触った。これは競技会的にはあまり好ましくない行為。だが、家庭で脳トレーニングとしてノーズワークを楽しむだけなら、触っても壊しても構わない。皆さん自身でルールを決めてみよう。そして競技会に興味がある人へ。前脚で箱を叩く、踏み潰す、という行動は、実はハンドラー泣かせの「あるあるノーズワークNG行動」の一つ。トライアルでは減点対象でもある。そのトラブル・シューティングについてはこのシリーズ内でいずれの機会にて記そうと思う。

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